【お問い合わせ@2020】
2020年4月 他県の設計者のdeさまから
「木部の塗装材料を検討中に貴社のHP を拝見しました。
塗料の暴露実験を見て、こういう立派な方がいるのを知り感銘しました。
米松にワトコオイルを塗りましたが
その後ユーザーがどういうメンテをしてきたかまだ詳しくは聞いていません。
含浸系の塗料で耐久性のあるもので塗装を考えています。
◯△は施工エリアに含まれるのか、
また宜しければ暴露試験の結果についてお知らせいただけると幸いです」
というお問い合わせを頂きました。
建築に携わる方から評価を頂き、素直に嬉しかったです。(^^)
木材保護塗料の屋外暴露試験の3年経過 のページは
当店のHpの中で4番目に人気があり、
年に4~5件 「耐候性が良かった塗料を教えてもらえませんか?」
とお問い合わせ頂きます。
ちなみにHpのアクセス数ランキング
1位はトタン屋根塗装
2~3位はコーキングの屋外暴露試験です。
で、話は戻り
翌日メールでご返答させていただきました。
deさま
はじめまして
石巻の阿部塗装店の阿部康悦です。
木材保護塗料の屋外暴露試験のページを
ご覧頂きありがとうございます。
■◯△市はコロナ大丈夫でしょか?
石巻市は感染者「0」ですが、
宮城県は日に日に増えてきているようです。
【木材保護塗料】
当店の木材保護塗料の屋外暴露試験の結果を観察すると、
杉.Verの場合、耐候性/耐久性に優れていた塗料は
〇〇@〇〇【KR】と@〇〇〇〇【N】。
上塗り2回塗りより上塗り3回塗りの方が耐久性が向上します。
試験前 ■■■ の ■■■■【SO】に
期待していましたが、結果 KRより劣ってました。
スプルース.Verは、まだ更新していませんが、
〇〇@〇〇・@〇〇〇〇より
耐候性・耐久性に優れている塗料が1つありました。
塗料は★の★★★です。
(添付画像は同業者5社にお送りした年賀状です)
耐候性/耐久性は木材・環境・方角・角度・塗料の成分の変更・
塗布量・吸い込みの量などで変動しますので、
あくまでも目安としてお使いください。
↑添付画像
【屋外暴露試験の結果は異なります】
去年 同業者で屋外暴露試験を2年程度行った店主と
お話しすると「★★★の耐候性は悪かった」
という話もありました。
また逆に良かったと言うお話を1件お聞きしたので、
塗料の耐候性/耐久性を見極めるのは大変難しいです。
【施工エリア】
塩釜は施工エリア中ですが、
10月頃までご予約を頂戴しておりますので、
10月以降の工事となってしまいます。
お見積り提出している方もいっらしゃいますので、
タイミングが悪いと来年となってしまいます。
以上、ご返答とさせて頂きます。
お問合せありがとうございました。
このようにご返答させて頂きました。m(_ _)m
塗料の屋外暴露試験を行えば行うほど
塗料の耐候性を見極めるのは大変難しいと痛感しています。
【現場調査@2020年9月】
設計者の方と数回メールのお話させて頂き、
9月6日 現場調査(お見積り)に伺いました。
この時、de様にお会いし、
「阿部さん、まだ若いんだね~」と
お声かけて頂きましたが、もう46歳なんです。(^_^;)
いや、まだ46歳と切り替えたほうが精神的に良さそうですね。(笑)
【現場調査報告書】
【外壁/ケニテックス 三井金属塗料化学】
ご自宅をパッと見た感じ、ペンキ屋の俺でも
かなり凝った作り/工法だなと、すぐわかりました。
現場調査報告書(パスワード付きのページ)と
お見積書は2週間悩み3種類 提出させて頂きました。
外壁の塗料はケニテックスと教えて頂き、
自分なりに調べてみると、
ケニテックスは三井金属塗料化学が販売していましたが、
2004年日本ペイントにグループ会社化され、
現在は日本ペイント防食コーティングスになっています。
(ケニテックスは現在廃盤で後継塗料も無いようです)
ケニテックス
樹脂はエマルションで
平成8年以前はアスベストが含まれているようです。
(平成8年以前のアスベストのレベルは1)
アクリルリシンは「薄付け仕上げ」ですが、
ケニテックスは「厚付け仕上げ」で
期待耐候年数を過ぎたとしても、
耐久性はアクリルリシンより優れているようです。
震災後、外壁のひび割れを補修していますが、
ケニテックスが廃番のため、外壁のパターンは変わってしまいます。
(補修した塗料はアクリルリシンです。刷毛でタッチアップした感じです)
前回のひび割れ補修でコーキングを充填していれば良いんですが、
こればっかりはVカットしてみないとわかりません。
おそらく前回の補修痕は消えないと思います。
宮城県は地震が多いため、
ひび割れとは上手く付き合っていくしかないですかね。
煙突周辺の外壁にシリコーンシーラントが充填されてます。
シリコーンシーラントは塗料がのらない(弾いてしまいます)ため、
シリコンカバーNB・シープラなどを塗布し
塗装できる下地を作りますが、それでも付着が悪い場合もあります。
外壁に使用する塗料は
アクリル・ウレタン・シリコン・ラジカル制御形シリコン・
フッソ・無機塗料などがあり、艶も艶有と艶消しがあります。
ケニテックスは艶消しで落ち着いた塗材のため、
今回は艶消し調の塗料でお見積りを作成しました。
(艶有も可能です)
打ち合わせの中「最後の塗り替え」とお話を伺いましたので、
当店の実績のあるナノコンポジットWと
期待できそうなナノコンポジットFもしくはビーズコートFで
お見積り作成する予定です。
【トタン屋根/耐摩カラー】
トタン屋根は10~15年ぐらい前に
塗り替えされてようですが、
耐摩カラーの塗膜はガラス繊維が配合され
強化塗膜で優れた耐候性を有し塗膜硬度が6H~9Hで、
付着が悪い傾向が強いです。
当店では2012年に耐摩カラーの塗り替えさせて頂きましたが、
弱溶剤2液形エポキシ樹脂塗料では、付着がイマイチな感じがしたため、
強溶剤2液形エポキシ樹脂塗料で塗装させて頂き、
付着性テストを行うと、付着性は良好でした。
耐摩カラー塗り替え2012年
なので、既存の塗膜の状態が凄く気になり、
トタン屋根を調査していると、
一部 剥がれている部分がありました。
ちょっと嫌な剥がれ方です。
小さい亀裂が生じている部分があり、
剥離予備軍ですかね。(^_^;)
前回、雪止めは交換していないようなので、
今回は交換でお見積り作成しました。
トタン屋根と雪止めの接触部分は錆びやすいです。
ただ塗膜が耐摩カラーなので、大丈夫そうな気もしますが、
塗装後、10~15年先まで考慮すると、雪止めは交換が理想です。
屋根もアクリルシリコンとフッ素の2通り作成いたします。
【木部米松/木材保護塗料】
木部に塗装されていた木材保護塗料は
日当たりの良い面は消滅しているようです。
紫外線劣化しにくい部分はまだ残っているようです。
ランダムサンダーやオービダルサンダーで
ケレン(下地処理)が可能であればケレンしたいのですが、
木材が痩せている場合、凸部分はケレンできても
凹部分にはサンダーが入らないため、
下地処理はサンダーではなく高圧洗浄の予定です。
紫外線劣化しにくい部分は上塗り1回塗りでも
充分だと思います。
こちらも施工しながらご相談させてください。
(上塗り1回塗りのご提案は過剰な工事をさけるためです。
間違っても手抜きしたいからではありませんので~(^^) )
窓の細部はガラスやパッキン・シリコン?などが絡んできますので、
どこまで塗り替え可能か確かめながら作業します。
破風の間に虫除けのような
網戸が張られているので、
奥までは塗装工事できないと思います。
既存の色は茶系ですが、薄い色にしたい場合、
漂白しないと仕上がりが悪くなります。
同じような色であれば、漂白は不要だと思いますが、
高圧洗浄してみないとわからない部分のため、
高圧洗浄後、ご相談させてください。
木部に使用する塗料は当店の屋外暴露試験5年目の結果でも優秀だった
浸透形の★★の★★★を予定してます。
(あくまでも当店の屋外暴露試験の結果です)
水性の半造膜タイプは上塗り1回塗りで仕上がるため、
工事単価を抑えられますが、
仕上がりがイマイチなので、あまりお勧めはしていません。
(下地の状態が悪い場合はお勧めすることもあります)
木部の割れや隙間は充填せず塗装する予定ですが、
あまりにも幅が広い場合は ご相談させてください。
調査報告書はこのような感じで
ご確認いただきました。
当店の都合に合わせて頂き
約1年お待ちいただき
2021年8月20日から作業開始いたしました。
コメント