外壁は今回が初めての塗装です。
こちらの外壁材は戸建て住宅の7~8割使用されている窯業系サイディングボードです。
石巻市~仙台市の住宅を見渡しても、やはり窯業系サイディングボードが多いです。
基本的にサイディングボードはメンテナンス(塗装/コ―キング)が必要です。
メンテナンスサイクルは工場出荷時の塗料/塗膜の種類・シーリングの種類・
材質・環境・塗り替え時に使用する塗料(クリアー/エナメル)等で異なります。
近年、何色も色が使われている多彩色模様や
タイル調の凝ったデザインが多く塗り替え時にエナメルで
単色塗装(ペンキで1色で塗る)してしまうと、多彩色模様が無くなってしまいます。
この模様を維持したい場合はクリアー塗料を塗装することで多彩色模様を生かせます。
ただし、劣化しすぎてしまうとクリアー塗料で塗装しても、綺麗にならないケースもありますので、
築6~8年前後で塗装する事をお勧めしております。
エナメル塗装(単色/2~3色塗り)の場合は、8~13年前後で塗装をお勧めしております。
稀にメンテナンスフリーといいますか、
塗装できないタイプのサイディングボード(光触媒・無機等)もありましたが、
現在は塗装できる下塗り塗料が開発され塗装できるようになりました。
ただし、付着性が悪そうなサイディングボードの場合は、
念のため、塗装する前に現場で付着性テストを行わせ頂くこともあります。
外壁塗装/高圧洗浄
外壁を洗浄する前に足場を設置しました。
高圧洗浄機で水洗いを行いますが、どうしても霧状になった水が
風にのって飛散してしまうため、メッシュシートを貼り飛散対策を行います。
また、近隣さんにも水洗いの日は念のため、洗濯物は干さないようにご協力お願いしています。
車などにも水しぶきが飛散する場合は不織布のカ―シートで養生をさせて頂きます。
水洗いはエンジン式高圧洗浄機を使用しました。
この高圧洗浄機はエンジン式のため
多少騒音が伴いますが防音型ですので、開放型よりは騒音は低いです。
圧洗浄機で水洗いを行う場合、桶に水をためながら作業を行います。
使用する水は水道水を使わせて頂くため、
桶が一杯になると自動で止まるフロート弁を使用します。
高圧洗浄機でチョーキングや汚れを洗います。
北面に藻が発生してましたが、高圧洗浄で綺麗に除去できます。
外壁 洗浄中。
シーリング/コ―キングは裂けていたり切れていたため、
水洗いを行う前に打ち替え・増し打ちを行いました。
厚く充填されている窓周り部分は
増し打ちの必要はないため、このままの状態で塗装しますが、
汚れているため、弱いシンナーで汚れを除去。
外壁に鉄製の金具が設置されていましたが、
現在は使用されていないため、金具を撤去しました。
外壁に錆び汁が付着していたため、
アレスリフレBL(中性錆び除去剤)で、錆びを除去させて頂きました。
アレスリフレは液体ではなく粘度が高くドロドロしていて、
臭いは鳴子温泉に来た気分になる硫黄の臭いがします。
アレスリフレを塗布した直後は変化はありませんが、
数十秒ぐらいで紫色に変色し
綺麗に除去できました。
シリコーンシーラント処理と付着性テスト
当店では外壁洗浄後、外壁の厚みや時期にもよりますが、
丸1~2日ほど乾燥時間を取ります。
下塗りを塗装する前に開口部等をマスカーと言われるビニール等で養生を行い、
通常なら養生後 下塗り塗装できますが、
シリコーンシーラントが充填されている場合は塗装がのらない(弾く)ため、
シリコ―ンシーラントにのるように専用の下塗り塗料を塗装します。
この専用下塗り塗料も安価な塗料と高価な塗料があり、今回使用した専用の下塗り塗料は
関西ペイントのシープラで1㎏セット15,000円以上する高価な塗料です。
シリコーンシーラントにシープラ塗装後。
これを塗装する事で、下塗り・上塗り塗料がのります。
どのお宅でも少なくても1ヶ所以上はシリコーンシーラントで
充填されている部分があると思いますので、この下地処理は必須となります。
シリコーンシーラントはエアコンのカバーに充填されていること多く、
今回も充填されていました。
前回、充填されていたシリコーンシーラントはできる限り撤去し
専用プライマーを塗装。
これで塗料がなるようになります。
こちらのサイディングボードはリフォームをされた時に取り付けたそうです。
取り付けられていたサイディングボードは、おそらく住宅建材メーカーのニチハ製で、
マイクロガードが塗装されているため、付着性に懸念があったため、
当店が新築現場から頂いてきた、
サイディングボード(マイクロガード塗装)で付着性テストを行い結果は良好でした。
現場のサイディングボードも、まだ2年しか経過していないため、
シーラーを塗装し付着性テストを行い
結果は良好でした。これで安心して塗装ができます。
外壁塗装/下塗り塗装
外壁塗装する前に、マスカーと言われビニールで窓などの養生を行います。
エアコンの室外機にも専用のシートで養生。
このシートは天板はビニールですが、
周りは不織布と言われる薄い布製のため、外壁塗装中はエアコン使用可能です。
塗装しずらい場合は塩ビ管やエアコンカバーを一旦撤去させて頂くこともあります。
今回 使用した下塗り塗料は関西ペイントの水性2液形エポキシプライマーです。
(水性で2液形の下塗り塗料は珍しいです)
塗り替えする色が淡彩で既存の色より薄いため
、上塗り2回塗りで綺麗に仕上がるか不安だったため、
白色のアレス水性エポレジンに変更させて頂きました。(変更はサービス)
下塗り塗装中。
想像以上に白くなり、抱えていた不安も払拭されました。
外壁塗装 下塗り完了。
外壁と外壁の重なり部分に「あいじゃくり」と言われる部分があり、若干隙間があるため、
「アレスホルダーG」で充填を行いまいした。
この隙間は美観的な問題で、埋めても埋めなくても関係ないと言われていますが、
サイディングの柄・方角等によっては、このあいじゃくり部分に水が溜まりやすく
吸水→乾燥を繰り返し劣化し、冬場は溜まった水分が凍り劣化しやすい部分だと思います。
アレスホルダーZ 充填中。
充填後。
これで下塗り塗料完了です。
外壁塗装/上塗り2回塗り
上塗り塗装は2回塗装し完了となります。
使用した上塗り塗料は
関西ペイントの水性1液形アクリルシリコン樹脂塗料の「アレスアクアシリコンAC2」です。
当店で使用した水性アクリルシリコンの中でも、光沢に優れています。
上塗り1回目塗装中。
上塗り2回塗り完了。
どの部位も同じですが美観と保護を考え塗装をさせて頂きました。
上塗り2回塗装後、養生を剥がして外壁塗装は完了です。
養生も塗料と同じで色々なテープがあり、
使用するテープによっては剥した時の「線」が綺麗・汚いなどあります。
ビフォーアフター/外壁塗装
施工前
施工後
ビフォーアフター/外壁塗装
施工前
施工後
外壁塗装1年後/西面・東面
外壁塗装/施工後1年目
外壁塗装/施工後1年目(東面)
外壁塗装1年後/北面
外壁塗装/北面 塗装前に藻が付着していましたが、まだ藻の発生はありませんでした。
外壁塗装/1年目