低汚染型塗料・超低汚染型塗料は、塗膜表面を※親水性することによって
雨水が塗膜と汚れの間に入り込み雨水と一緒に汚れが落ち美観を保ちます。
(無機質な錆・黄砂・土砂などの汚れに対して効果は期待できません)
また、帯電防止効果により静電気による汚染物質の付着が生じにくくなる塗料もあります。
※親水性とは、水を弾かず馴染む状態を言います。
上の画像を見て頂くと、親水性と撥水性の差が一目瞭然です。
2007年 低汚染型塗料実験開始(曽根塗装店式パイプ雨筋試験法)
2007年4月、本当に低汚染型の水性アクリルシリコン樹脂塗料が汚れにくいのか、
9種類の低汚染型/超低汚染型水性アクリルシリコン樹脂塗料を集め、
塩ビパイプに標準仕様の下塗り1回・上塗り2回塗装し1階南面の屋根に設置しました。
(この実験を行う際、色々とアドバイスを頂いた神奈川県の曽根塗装店の曽根さん
サンプル塗料を無償提供して頂いた塗料メーカー様・
手配して頂いた塗料販売店様 本当にありがとうございました )
実験を始める前は塗料のカタログに低汚染・超低汚染と記載されていれば、
「汚れにくい塗料/塗膜」と思っていましたが、実験を行い結果を見ると
低汚染型塗料と謳っていない塗料と、ほとんど差が無いに等しい低汚染型塗料もありました。
2007年から開始した塗料の実験は現在も継続中で
2016年Verはフッ素樹脂塗料(3F/4F)7種類
低汚染性に優れている水性アクリルシリコン樹脂塗料2種類
無機塗料1種類の計10種類を塗料を実験を行っています。
こちらも雨筋の差が現れてきてますので、HPかブログで更新予定です。
低汚染型塗料実験3年後
数か月で徐々に差が現れ、3年後には誰が見ても差が明確になりました。
実験は塩ビパイプ2本で行い、どちらも同じような結果だったので信憑性はあると思います。
実験を行い結果を見てみると、低汚染型・超低汚染型水性アクリルシリコン樹脂塗料と言っても、
汚れにくい塗料もあれば、汚れやすい塗料もあると言う結果でした。
雨筋が付きやすい部位には、低汚染性に優れていた塗料をお勧めしますが、
塗膜だけで雨筋を防ぐには限界がありますので、
水切りや雨筋ストッパー(ツタワン)などの設置もお勧めしています。
【4年半後】
藻やカビ・汚れなどで、雨筋が見えにくくなりましたので、今回の実験は4年半で終了しました。
塗料の実験を行い、改めて「塗料の選択は難しい」と感じましたが、
一喜一憂する楽しさも分かり、塗料の実験が趣味になりました。(笑)
2011~2012年 低汚染型塗料実験開始
2010年にも気になった塗料があったため、
3種類の弱溶剤(油性)2液形の塗料の実験を行っていましたが、
東日本大震災でお隣の家へ落ち4日ほど海水に浸かったため、実験中止。
2011年10月に10種類の塗料を集め同じように塩ビパイプと
窯業系サイディンボードに塗装し3回目(4本目)の実験を行いましたが、
残念なことに窯業系サイディングボードは失敗したため廃棄となりました。
翌年1月にも追加で5本目も作成し実験を行いました。
◇ 塩ビパイプ5本目作成 ◇
まず最初にラッカーシンナーで塩ビパイプの脱脂。(脱脂=表面の油分を除去する事です)
塩ビパイプに書かれていた黒い文字が消えている所は脱脂後です。
脱脂後、塗料の食いつきをよくするために、
240~320番程度の研磨材で、目荒らし/足付けを行いました。
足付けで出たカスを除去し、下塗りに乾燥の早い強溶剤の密着バインダーを塗装。
この塗料は油性でもかなり臭いがきつく粘度が低くジャバジャバしています。
下塗り乾燥後、マスキングテープを18cm間隔で貼りました。実験する塗料の中で、
かぶり(隠ぺい力)が悪い塗料があるため、
上塗りを塗る前に関西ペイントのアレスポリマーレジンという白い下塗り塗料を2回塗りました。
上塗りに使用するローラー・内容器はすべて新しい物を使用しました。
2液形の塗料は、指定の比率で調合し撹拌し1液形の塗料も秤を使用して希釈しました。
この実験を行ってみると、隠ぺい力・発砲・塗りやすさなどに違いがあり、
塗りやすいからと言って、低汚染性・耐候性に優れている訳でもないですし、またその逆も然りです。
4本目を作成した時に使用したローラーはタイホウの銀虎4インチ(13㎜)で、
5本目は大塚刷毛のマイクロエース4インチ(13㎜)を使用。
どちらもマイクロファイバーのローラーで1本400~500円するため
一回の実験で最低でも4,000~5,000円程度かかってしまいます。
この他に塗料代や内容器代・塩ビパイプ代なども含めると
1万円以上+塗装作業などに2~3日程度かかってます。
ただ、それだけの「価値」はあり、また楽しみもあります。
密着バインダー→下塗り2回塗り→上塗り2回塗りで、合計5回塗装しているため
塗り肌は、ローラーマークがはっきり出ています。
一般的に光沢は水性より弱溶剤(油性)の方がありますが、
近年、水性塗料とは思えない光沢のある塗料も販売されています。
実験の8ヶ月後
このように「差」が現れました。
この続きはブログでも紹介しています。
2014年・2016年Verも、更新予定です。