バリヤプライマー(バリアプライマー)
1年9ヶ月前
シーリング/コーキングの屋外暴露試験を作成している時、
思いつきでバリヤプライマー(バリアプライマー/ブリードオフプライマー)の
塗り板も作成し北側に向けて屋外暴露試験開始しました。
バリヤプライマー(可塑剤移行防止プライマー)の役目
ペンキ屋なら説明不要ですが、DIY向けに。
バリヤプライマーの役目は
シーリング材の成分である可塑剤の移行による
塗膜の粘着・汚染を制御します。
(画像は汚染された塗膜です)
可塑剤移行のメカニズム。
(画像はスズカファイン/逆プライマーのカタログから)
可塑剤移行防止プライマーのメカニズム。
(画像はスズカファインの逆プライマーのカタログから)
塗装後、美観を維持したい場合は、シーリング材を
ノンブリードタイプ/NBにしますので、
ブリードタイプ(NBと記載のないシーリング)は
使わない傾向にありますが、現場ではブリードタイプで
打設されている場合もあり、その上に塗装することもあるので、
今回はバリヤプライマー(可塑剤移行防止プライマー)の差を
確認する実験となります。
バリヤプライマーの差を検証
使用したシーリング材は
ブリードタイプのシーリング材2種類と
NB(ノンブリードタイプ)1種類です。
使用したバリヤプライマーは溶剤2種類・
シーリングプライマー1種類と水性1種類で、
上塗り塗膜は弱溶剤1液形アクリルシリコン樹脂塗料です。
B1/B2はブリードタイプのシーリング材で
NBはノンブリードタイプです。
塗膜のひび割れはB2が多く次にB1→NB。
未塗装の部分にはひび割れがないので、
やっぱりバリヤプライマーは硬く割れやすい傾向にあるようです。
B1の拡大画像。
1年9ヶ月後の結果を確認すると、
差は現れていませんが、若干バリヤプライマーの効果はあるように感じます。
(←左側は水性 [バリヤプライマー] →右側は溶剤)
B2の拡大画像。
こちらは差があるように感じます。
(←左側は水性 [バリヤプライマー]→右側は溶剤 )
NB拡大画像。
ノンブリードタイプのシーリング/コーキングのため、
バリヤプライマー未塗装/塗装も差が無いように感じます。
バリヤプライマーの差を出すために
東日本塗料のフローンプラチップをかけてみます。
珪砂より過酷なような気もしますが、とりあえずトライ!
ちょっとかけすぎた(苦笑)
塗り板を立てフローンプラチップを落とした状態です。
B1とB2にはフローンプラチップが付着してますが、
NBには、ほとんど付着していません。
B1
B1/フローンプラチップ振りかけ後。
分かりづらいですが、かなり付着しているように感じます。
(←左側は水性 [バリヤプライマー] →右側は溶剤)
B1の中では、溶剤のバリヤプライマーが良さそうでした。
茶系の塗膜はブリードしにくいかも。という水性塗料でしたが、
フローンプラチップがガッチリ付着しました。(^_^;)
B2
B2/フローンプラチップ振りかけ後。
ひび割れた塗膜の周辺は汚染される傾向にあるようです。
(←左側は水性 [バリヤプライマー] →右側は溶剤)
B2の中でも、溶剤のバリヤプライマーが優秀でした。
B2茶系の水性塗料にはフローンプラチップが、
ほとんど付着していなかったので、
シーリングと塗料の相性もあるのかもしれません。
NB
NBのシーリングにはフローンプラチップは、
ほとんど付着してませんでした。
さすがノンブリードタイプ!(^^)
B2の塗膜がひび割れている部分の上塗り塗膜を
シンナーで除去してみると、
バリヤプライマーが動いた形跡がありました。
隣の逆プライマーは
動いた形跡が少ないようです。
なぜかB2の水性塗料の塗膜がトシンでリフティング。
こんな感じですべての上塗りの塗膜を除去しました。
B1にフローンプラチップが一番付着するようなので、
B1の上っ面をカッターで除去。
溶剤・水性塗料などを塗装。
試しに1回塗りと2回塗りを作りました。
(膜厚で差が出るのか検証)
2019年8月14日に上塗りに弱溶剤2液形アクリルシリコンを塗装し
4日間 自然乾燥させてから、試しにフローンプラチップを振りかけてみましたが、
全然付着しなかったため、半年ぐらい放置してみたいと思います。
(最近、失敗したような気もする・・・)
1年9ヶ月後の結果
ブリードタイプとノンブリードタイプの汚染
画像B1・B2のブリードタイプ(ノンブリード/NBと記載されていないシーリング材)
と画像NB/ノンブリードタイプに塗装し比較すると、
当たり前ですが、ブリードタイプは汚染するため、
ノンブリードタイプ/NBを充填し塗装した方が美観を維持できる。
(稀にNBタイプに塗装してもブリードする場合もあります)
可塑剤移行を防止する場合
ブリードタイプに塗装する場合は
バリヤプライマー(バリアプライマー)を塗布した方が
美観を維持できますが、バリヤプライマーの塗膜が
ひび割れた場合は割れた部分/周辺が汚染されてしまう傾向にあるようです。
バリヤプライマーの効果の差
今回使用したバリヤプライマーは屋外暴露試験の結果だと
どの塗料も効果があるように感じます。
ただバリヤプライマー全般に言えることですが、
塗膜は硬くひび割れやすいので、
サイディングボードの目地に塗装すると
早期に割れる可能性が高く、
窓廻りでも割れる場合もあります。
フローンプラチップテスト
今回、珪砂ではなく東日本塗料のフローンプラチップをかけ
バリヤプライマー(バリアプライマー)の評価をしましたが、
このテストの結果が現場(実暴露)と繋がるかわかりません。
ただブリードタイプには付着しノンブリードタイプには、
ほとんど付着していないので、
それなりには評価できるだろうと思いたい(笑)
フローンプラチップテスト結果
溶剤バリヤプライマー2種類・シーリングプライマー1種類・
水性塗料1種類の計4種類の結果は、
溶剤のバリヤプライマーが優秀で、
あとはイマイチでした。
実験には関西ペイントのシープラが無いため比較できませんが、
シープラの方が割れにくくブリードしにくいような気もするので、
シープラを購入する機会があれば、またテストしてみたいと思います。
8月14日に作成した塗り板の結果が出たら
ブログなどにUpしたいと思います。