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屋外暴露試験 2014年Ver 3年7ヶ月後(色:ビーバーレッド/サニーレッド系)弱溶剤1液形アクリルシリコン樹脂塗料と弱溶剤2液形アクリルシリコン樹脂塗料の差


2014年6月にアクリルシリコン樹脂塗料・フッ素樹脂塗料・無機塗料など
28種類の塗料/塗膜を南面約45度に傾け屋外暴露試験を開始し、3年7ヶ月が経過しました。
(前のブログ記事/屋外暴露開始2014Ver ←クリックして頂くとご覧いただけます)
5~6ヶ月に1回、塗膜の光沢保持率などを確認していましたが、
先日、淡彩(薄い色)でも差が現れてきました。

水性2液形無機塗料と水性1液形アクリルシリコン樹脂塗料の光沢保持率の差


極端な例になってしまいますが、
これは水性2液形無機塗料で、工程数は下塗り兼中塗り1回塗り→上塗り1回塗りです。
無機塗料の耐候性は一般的なアクリルシリコン樹脂塗料より上だと言われてます。


これは水性1液形アクリルシリコン樹脂塗料で、上の無機塗料と比較すると
かなり光沢が落ちていました。(工程数下塗り1回塗り→上塗り2回塗り)
水性1液アクリルシリコン樹脂塗料の中では、ワースト2の塗膜でした。


今後の現場に役立てたいので、他の塗膜も調べようと思い一旦撤去し
すべての塗膜を確認しました。


塗膜の退色の差は室内で保管していた塗り板と比較しました。

今回は屋根用弱溶剤1液形と2液形の差を更新したいと思います。
淡彩や屋根用シリコンとフッ素の差は後日更新する予定です。m(__)m

屋根用弱溶剤1液形と2液形の退色/耐候性の差
(色:ビーバーレッド/サニーレッド系)


まずはこの試験のきっかけとなった
屋根用弱溶剤1液形アクリルシリコン樹脂塗料/1si
屋根用弱溶剤2液形アクリルシリコン樹脂塗料/2siの差です。
(色:ビーバーレッド/サニーレッドと言われる色です)

これだけ退色の差が出ると誰が見ても1液形より
2液形の方が優れていることが分かると思います。

 試験前はどれだけ差が出るか心配でしたが、これで一安心。(^^)

黒系のノアール色は
2si=弱溶剤2液形アクリルシリコン樹脂塗料
2F=弱溶剤2液形フッ素樹脂塗料です。
 

屋外暴露試験を開始した時の画像を見ても 1s と 2si は、ほぼ同じ色です。
 (1si と 2si は、同じ塗料メーカーで同じ色を発注し塗装してます)

屋外暴露試験 2年後

屋外暴露開始2年目は あまり退色の差はありませんでしたが、


屋根用弱溶剤1液形アクリルシリコン樹脂塗料の塗膜を
水で濡らしたティッシュで拭くと、チョーキング現象が発生していました。


屋根用弱溶剤2液形アクリルシリコン樹脂塗料の塗膜も同じように拭いてみると
チョーキング現象は発生していませんでした。


隣は違う塗料メーカーの屋根用弱溶剤2液形アクリルシリコン樹脂塗料ですが、
若干、チョーキング現象が発生していました。
同じグレード「弱溶剤2液形アクリルシリコン樹脂塗料」といっても
やっぱり耐候性に差がありました。
ちなみにこっちの塗料の方が高価なんですけどね(苦笑)

屋外暴露試験 3年後

屋外暴露3年後は2年後より、退色に差が現れてきましたが、
材が窯業系サイディグボードのため、数ヶ所 腐食してきました。
なんでだろう・・・(^_^;)


2年でチョーキング現象が発生していた
屋根用弱溶剤1液形アクリルシリコン樹脂塗料は3年目も普通にチョーキングしていました。


3年7ヶ月後の光沢保持率。
光沢保持率の差は室内の電気を利用しました。
 

2年でチョーキングしていなかった
屋根用弱溶剤2液形アクリルシリコン樹脂塗料は若干チョーキング現象が発生していましたが、
2年後の1液形より、チョーキングしていないため、やっぱり2液形の方が耐候性は上だと思います。


3年7ヶ月後の光沢保持率。


2年で若干チョーキング現象が発生していた
屋根用弱溶剤2液形アクリルシリコン樹脂塗料はチョーキングが濃くなっていました。
さきほど1液形より2液形の方が耐候性は上。と言いましたが、
う~~~ん・・・なんとも微妙な結果になってしまいました。(>_<)


3年7ヶ月後の光沢保持率。
屋外暴露試験3年後の結果もブログで更新しています。
屋外暴露試験3年後(屋根塗料/色:サニーレッド系)
 
3年7ヶ月後 退色の差

屋外暴露試験 3年7ヶ月の退色の差ですが、
光の反射というか、レンズの汚れがあり微妙な感じですが、
屋根用弱溶剤1液形アクリルシリコン樹脂塗料は
はっきり退色しているのが分かると思います。


弱溶剤2液形アクリルシリコン樹脂塗料は1液形と比較すると退色は少ないです。
(室内保管塗り板は1液形も2液形も同じ塗り板です)


3年でチョーキングしていた
屋根用弱溶剤2液形アクリルシリコン樹脂塗料です。
光の反射などもありますが、これだけ退色していました。

屋外暴露試験 3年7ヶ月後の結果

耐候性と退色の差
屋根用弱溶剤1液形アクリルシリコン樹脂塗料(1si)と
屋根用弱溶剤2液形アクリルシリコン樹脂塗料(2si)の差は
塗装2年目以降に耐候性や退色に差が現れる傾向にある。
(色:ビーバーレッド/サニーレッド系)

チョーキング現象
チョーキングに関しては 1si は約2年目で発生。
2siは約3年目で若干発生していました。
ただ、同じグレードの 2si でも塗料メーカーが異なると
2年目で若干チョーキングが発生する塗料もある。

塗料の価格で耐候性が分かるか?
高価な弱溶剤2液形アクリルシリコン樹脂塗料だからといって
耐候性に優れている訳では無いことが分かりました。
(これは木材保護塗料の屋外暴露実験でも同じことがありました)
今回使用した弱溶剤1液形アクリルシリコン樹脂塗料と弱溶剤2液形アクリルシリコン樹脂塗料の
一斗缶の価格の差は約10,000~15,000円ほどありますが、
価格は塗料メーカー・遮熱塗料・地域・缶数・色相などによって変動します。

戸建の場合は上塗り塗料を2缶ほど使用すると思うので、お見積りは ざっくり20,000~30,000円ほど
 Up+作業代(2液形の場合は計量などの手間・消耗品・刷毛を洗うシンナー代など)がプラスされます。
3年目以降の退色の差に価格差ほどのメリットがあるか?ないか?は、施主様 次第だと思いますが、
当店では付着性・耐候性・鳥の糞害・次の塗り替えなどを考え2液形をお勧めしています。
(4年目以降、さらに退色の差が開く・縮むかはこれから調査していきます)
ただし既存の塗膜の状態が悪い場合は1液形をお勧めしています。

退色
退色は 1si < 2si ですが、チョーキングと同様
同じグレードの 2si 同士でも差がありました。
ただ今回は色がビーバーレッド・サニーレッド系という色相のため、
これが黒系・茶系になると若干変わると思います。
2016年Verには黒系がありますので、2019~2020年には差が現れると思いますので、
またその時更新したいと思います。

屋根用弱溶剤1液形と2液形の耐候性と退色の差(現場編/3年6ヶ月後)


2014年4月に施工させて頂いたA.B様邸は、施工後3年6ヶ月目に塗膜調査を行わせて頂きました。
施工前の既存の塗膜の状態は2階の屋根は大丈夫そうだったんですが、
1階の屋根は弱溶剤1液形の錆び止めを塗装すると、
ところどころリフティング(不具合/塗膜がシワシワになる状態)現象が発生したため、
2階の屋根は弱溶剤2液形アクリルシリコン樹脂塗料
1階の屋根は弱溶剤1液形アクリルシリコン樹脂塗料で塗装させて頂きました。


塗膜は方角・角度(勾配)によっても、劣化速度が変わります。
方角に関しては、南面が一番劣化が進む面と言われてますが、
角度については、
30度前後が日射量が多い。
40度前後が日射量が多い。
無勾配の方が劣化が早い。 ←紫外線劣化だけではなく、雨などの影響も含む。
などあり「塗膜の劣化速度と角度(勾配)」に関しては、本当のところ分かりません。
 
ただ基本的に塗膜の劣化は紫外線・熱(蓄熱)・水分と言われてます。
劣化速度に関しては、上記の角度や方角の他に色や膜厚・地域・
 環境(沿岸・山間部など)・塗料のグレードなどによっても異なります。


3年6ヶ月屋外に暴露された現場の弱溶剤2液形アクリルシリコン樹脂塗料の塗膜と
室内に保管していた塗り板を照らし合わせてみると、退色はしているものの
光沢はまだまだ残っていました。(この日はかなり曇っていましたので、微妙ですが・・・(^_^;))
  

どれだけチョーキングしているか確認すると、チョーキング現象を確認できました。
屋根は過酷な環境ですので、
アクリルシリコン塗料で4年間チョーキング・色褪せしない屋根用塗料があったら、
かなり優秀な塗料だと思います。

ちなみに外壁を一般的なアクリルシリコン樹脂塗料で塗装すると
次の塗り替え時期は約7~10年前後と言われ、
7~8年前後でチョーキング現象が現れやすいとも言われてます。
ただ薄いチョーキング現象が発生=塗り替えではなく
光沢が残っていれば、まだまだ頑張れる塗膜だと思います。
  

弱溶剤1液形アクリルシリコン樹脂塗料は2液形より退色と光沢が落ちていました。(南面)
ただ、1階(南面)と2階(西面)では方角が異なりますが、
1階の西面を見ても、同じような劣化具合だったので、
3年6ヶ月後の1液形塗料と2液形塗料の差は、これぐらい差があります。
 
当店の実験結果を見ても、
まぁ~妥当な劣化速度じゃないかなと思います。


弱溶剤1液形アクリルシリコン樹脂塗料もチョーキング現象を確認できました。

塗料は塗膜へと形成されれば、劣化するだけですので。(ちょっと悲しいですけど(>_<))


東面のケラバも弱溶剤2液形アクリルシリコン樹脂塗料ですが、


トタン屋根より光沢も残っており、
 ほとんどチョーキングしていませんでした。

なので、同じ塗料でも方角と角度(勾配)が違うと、塗膜の劣化速度は物凄く変動するんです。

屋外暴露実験は4年半後もしくは5年後 またこの続きを更新したいと思います。
1siの塗膜が残っていればですけどね(笑)