2012年8月にトタン屋根の塗り替えをさせて頂きました。塗膜がほとんど無い状態のところもあり、また錆びが大きく発生している箇所もありました。錆はできるだけ除去し、増し塗りを行い錆びにくくさせて頂きました。今回は通常の塗料ではなく高日射反射率塗料(遮熱塗料)と言って、近赤外波長域の赤外線を効率よく反射させることにより、屋根や壁の表面温度の上昇を軽減させる塗料を使用しました。高日射反射率塗料を屋根や壁に塗装することで、表面温度の上昇を軽減させ室内の温度上昇を抑え電力消費を節約することで、ヒートアイランド対策にも貢献できます。
こちらが施工後です。
塗装工程はケレン→増し塗り(タッチアップ)→下塗り(錆止め)→上塗り2回塗りです。
錆びていた箇所は、できるだけ除去し増し塗りさせて頂きました。トタン屋根塗装とは関係ない話ですが、棟の中に蜂の巣があり、これも無事除去できて良かったです(笑)
詳しい施工内容は下記をご覧ください
トタン屋根塗装/下地処理(ケレン作業)
ケレンを行う前に、
棟包みの中に入っている砂などブロワーで外へ出すと
意外と砂ほこりが溜まっています。
清掃後、サンダーが入らない部分を
ペーパーやケンマロンなどでケレンを行います。
ケレンは地味で時間がかかる作業ですが、
とても大切な作業です。
トタン屋根の色が濃くなっている面がケレン後です。
広い面は、サンダーにエヌグリットを装着しケレンを行いました。
数ヶ所、このように錆が発生していたため
できるかぎり錆を除去しました。
高価な錆び止め塗料を使用しても、
下地処理(錆落とし)が悪いと、錆びやすくなります。
トタン屋根塗装/錆止め塗装
錆が発生していた部分には錆び止めを1回多く塗装します。(増し塗り)
当たり前ですが、増し塗りをした方が錆びにくくなります。
錆び止め塗装中。
今回は高反射率塗料(遮熱塗料)を使用するため、
錆び止め塗料も高日射反射率塗料用の錆び止めです。
使用した錆止め塗料は
水谷ペイントの弱溶剤2液形ポリウレタン樹脂塗料(錆止め)
「快適サーモプライマー」です。
下塗り(錆止め)塗装完了。
錆び止め塗装後に、外気温とトタン屋根の表面温度を計測してみました。
錆び止め塗装前の表面温度は約52℃でした。
トタン屋根の色が違うだけで、表面温度が約10℃の差があります。
トタン屋根塗装/上塗り2回塗り(高反射率塗料)
上塗り塗料も下塗り塗料も2液形ですので、
秤を使い指定の比率で調合してから、使用しています。
ローラーで塗装できない「唐草」は刷毛で塗装します。
上塗り1回目塗装中。
塗り残しや発砲しないよう、気を付けながら作業をおこないました。
上塗り2回目完了。
上塗り塗装後にトタン屋根の表面温度を計測。
上塗りの色はサーモナチュラルグレーで、少し濃い色です。
上塗り完了後のトタン屋根の表面温度は、
施工前とあまり変わった感じはありませんでしたが、
通常の塗料を使用していれば、
もう少し表面温度は高くなっているだろうと思います。
ビフォーアフター/トタン屋根塗装
施工前
施工後
トタン屋根塗装/約3年後
施工後/2012年
約3年後/2015年
トタン屋根塗装/約3年後(色褪せ)
部分的にチョーキングが発生してきているようでしたが、光沢はまだまだ残っていますので大丈夫です。
ウエスで屋根に上がっている砂ほこりを拭いて、
劣化していない塗膜と比較すると、若干 色褪せていました。塗料は残念なことに、塗膜になった瞬間から劣化していくだけです。
トタン屋根塗装/約3年後(色褪せ)
錆びていた部分に増し塗りした屋根は
錆の発生はありませんでした。
トタン屋根塗装/約3年後(アンテナ設置による傷と錆の補修)
アンテナを設置した際、トタン屋根に傷がついたようです。一部、錆びていました。
使用した塗料が残っていたため、錆び止め→上塗りタッチアップさせて頂きました。
他の部分は塗膜の剥がれなどなく良好な状態でした。弱溶剤2液形アクリルシリコン樹脂塗料の次回の塗り替え時期は約6~10年前後です。